ChatGPTでESを使うのは会社にバレる?

ChatGPTをESに使うと会社にバレて選考に落ちてしまうと心配する学生もいますが、基本的にESの段階ではバレる可能性は低いです。
ただし、面接の段階で学生の回答にズレを感じた場合は、そこでバレる可能性があります。ChatGPTをESで使う際は、出力した内容を自分でも必ずチェックしましょう。
会社がESの応募段階で見抜くのは難しい
結論としては、ChatGPTを使ったESかどうかを企業が完璧に見抜くのは難しいです。確かにChatGPTのチェックツールを使って、企業によっては応募書類に検査をかけているケースもあります。
しかし、チェックツールも高精度なものは少なく、また企業は毎年多くの大学生のESをチェックしなければならず、現状では1枚1枚のESを完璧に見抜くのは不可能に近いです。
面接の受け答えでバレる可能性はある
ただし、ChatGPTを使ったESで選考を通過して、その後の面接でバレる可能性はあります。例えば、ChatGPTを使った自己紹介でそのままリライトせずに内容を使ってしまうと、面接で深堀りされた際に上手く答えられなくなってしまい、バレる可能性は高まります。
ESの指定に「ChatGPTを使用した文章は禁止する」といったChatGPTを使ってはいけないと明確な条件がない限り、効率的にESを仕上げる手段としてChatGPTは有効です。
しかし、出力した内容を必ず自分の目で確かめるようにしましょう。
ChatGPTでESを書く時の注意点

ChatGPTを使ってESを書くことで、業務を効率的に進めることができますが、使い方にも注意しましょう。特に質の高いESにする際には、内容を具体的に指示したり、オリジナリティがあるか確認したりしてブラッシュアップするのが大切です。
また、ChatGPTを使う際は個人情報は入力しないように気を付けましょう。
内容を具体的に指示する
ChatGPTに指示するときに指示内容を具体的にするという点を意識してみましょう。
ChatGPTに指示をしたり、質問をしたりする部分を「プロンプト」と言いますが、このプロンプトを具体的に書くことでより質の高いESを仕上げることができます。
例えば、以下の2つを比較してみてください。
上記の2つは、自己PRとしてコロナ禍でいかに解決策を見つけて部員を集めたかを300文字でまとめていますが、2番目の方が内容がより具体的にまとまっています。
1つ目の文章では、「オンラインイベント」と言っていますが具体的にどのようなことをオンラインで開催していたか触れられておらず、内容が薄くなっています。一方、2つ目の文章ではオンラインでどのようなことをしたか具体的に指示しているので、まとまりがよい文章になります。
ChatGPTで文章を書く際は、具体的に指示するという点を意識して書いてみましょう。
オリジナリティがあるか確かめる
ESをChatGPTで書いた際に、オリジナリティがあるかという点で自分で添削してみましょう。プロンプトで内容を具体的に指示しても、日本語の文法や内容がおかしくないか確かめます。
オリジナリティがある内容にするために以下の点をチェックしましょう。
- 自分が発信したい内容とズレていないか
- 内容が抽象的になっている箇所はないか
- 自分の体験がESの内容に入っているか
- 数字を使って説得力を持たせているか
よくあるのが、出力されたESについて自分がアピールしたい内容とズレていたり、抽象的な内容に留まっていたりするケースです。このような文章ですと、面接で深堀された際に、自分が考えている内容とESでズレが生じるので、ChatGPTで作ったESは必ず自分で確認しましょう。
また、1度ChatGPTに出力させて自分が納得できる回答が返ってこない時は、自分が体験した内容や数字を入れることでオリジナリティがある文章を生み出すことができます。
個人情報を入力しない
3つ目の注意点として、個人情報の入力はしないという点です。ChatGPTは入力された情報を学習データとして蓄積してしまうので、個人が特定できるような内容は入れないようにしましょう。
具体的には個人を特定できる名前や住所等は絶対に書かないようにしましょう。個人情報さえ入力しなければ、ChatGPTをESを執筆する際の強力なお助けツールとなるので、「この情報は入れていいのだろうか?」という意識を持ちながら使っていきましょう。
入力したい情報が個人情報に引っかかるか迷うぐらいであれば、最初から入力は避けて別の言葉に言い換えたり、完成したESに自分で付け加えたりして執筆しましょう。
(例文つき)ChatGPTで書けるESの内容

ここからはChatGPTを使ったESの書き方について解説していきます。ChatGPTでガクチカや志望動機を書く際は、プロンプトでの指示を的確に設定する必要があります。
各質問についてどのように命令をすればよいのかポイントを例文とあわせて説明します。
ガクチカ
ガクチカについてはChatGPTで書く際には以下の3点を設定するようにしましょう。
- ガクチカの内容を明確にする
- 数字を入れて説得力を持たせる
- 自分のガクチカが会社でどのように役立つか説明する
上記の3点を入れ込んでガクチカは作るようにしましょう。
例文として以下のようなものができます。
例文では、学生時代に培った細かいコミュニケーション能力が、お客様への商品提案に役立つと説明しており、ガクチカを作る際は「自分の経験が応募する会社でどんな場面で役立つか」という視点で書けるようにChatGPTに命令しましょう。
自己PR
自己PRもガクチカと押さえておくべきポイントはほとんど同じです。
- 自己PRの内容を明確にする
- 数字を入れて説得力を持たせる
- 自己PRが会社でどのように役立つか説明する
また、ChatGPTは学習能力があるため、1度完成した文章をさらにブラッシュアップさせることもできます。先ほどの文章をそのままコピーして、以下の2点を付け加えます。
- 簿記2級を取得しようと思った背景や理由
- IT企業でどのような強みが活かせるか
このようにプロンプトで命令をすると、簿記2級を取得しようと思った理由やIT業界でどのような場面で活かせるかを追加することができました。
ChatGPTで作ったESが納得いかない場合、プロンプトで命令を追加して、より精度の高いESにしていきましょう。
長所・短所
長所と短所については以下の点を意識して作ってみましょう。
- 自分の長所と短所をそれぞれ説明する
- 長所については具体的なエピソードを盛り込む
- 短所についてはどのように補っていくか追加する
ポイントとしては、長所では自分の強みが発揮できた話を追加して、短所では自分が思っている短所を現在どのように改善しているか付け加えることです。
また、長所と短所については言い回しに悩む場合は、言葉の言い換えもChatGPTに依頼することができます。例えば、以下のように「ポジティブな言葉に言い換えてください」と命令すると、言葉を変換してくれます。
表現や言い回しに迷った時もChatGPTを使って納得のできる言葉に変えながら、長所・短所の文章について完成させていきましょう。
志望動機
志望理由については、ChatGPTで書くときにより細かく指示するようにしましょう。理由としては、自分ができることと企業が求めている人物像の両方をESに盛り込んで説得力のあるESを作成する必要があるからです。
志望動機では以下の点を押さえて書くようにしましょう。
- 書き出しは自分が志望した理由から始める
- 志望理由の裏付けとなるエピソードを付け加える
- 応募する会社の求める人物像をプロンプトに追加する
例えば、新卒にも人気の大手コンサルティング会社の「アクセンチュア」を例にとって志望理由を書いてみましょう。
アクセンチュアでは「未来のアクセンチュアに必要なDNA」として、どのような人物を求めているかを掲載しています。
求める人物像をコピーして、自分の応募理由と合わせてそのままChatGPTに命令させます。
以下の条件にしたがってアクセンチュアの志望動機を書いてください。 ・アクセンチュアはデータやIT技術を活用して、会社の経営をサポートするコンサルティング会社です ・書き出しは「私が貴社を志望した理由は」から進めてください ・志望動機について下記の志望理由をアクセンチュアの業務内容と合致するように入れてください 志望理由:自分の課題解決能力を貴社で発揮できるから。課題としては塾のアルバイトで、学生の模試の点数について採点する人に乖離があり、統一感がなかった。そこで、採点のマニュアルを作って、誰が採点しても点数にずれがないように気を付けた。 ・応募理由について①~⑩の内容について1つ選択して、塾のアルバイトの経験がアクセンチュアの求める人物像とマッチするように書いてください ①背伸びをしてでも目標へ手を伸ばさずにはいられない ②チャレンジに、手加減をしない ③自分も会社も世の中までも、変えたいと望む ④常に次のステージを見据え、自らの開拓に貪欲である ⑤タフな状況も、先頭に立ち楽しめる情熱がある ⑥あるべき姿を追求するためには、立場や関係性を超えた主張を厭わない ⑦信念に基づき、主張し、実際にやりとげる ⑧チームワークの可能性を信じる ⑨多様な文化、相違する意見の中にこそ宝石があると知っている ⑩常に誠実さを失わず、言行一致の気概がある |
このように命令すると、以下のようなESが出力できました。
このように細かく命令すると、志望動機についてもある程度まとまりのある文章に仕上げることができます。出力された内容をそのまま使うのではなく、字数を調整したり、より自分の経験が具体的に分かる言い回しがないか考えたり等、添削してから提出するようにしましょう。
会社が求める人物像について、今回は参照先の文章をそのままコピーしてプロンプトに使いました。公式ホームページで求める人物像が公開されていない場合は、インターンシップや説明会で社員の方から聞いた内容をプロンプトに付け加えて指示してみましょう。
まとめ
今回はChatGPTをESに使うポイントについてまとめました。ESをChatGPTで書いた際に完璧に会社側が見抜くのは難しいものの、内容を精査しないと面接の段階でバレる可能性は高まります。
そのため、ESでChatGPTを使う際は、完成した内容について事実確認をしたり、オリジナリティを追加したりするようにしてブラッシュアップさせるようにしましょう。
具体的に内容を指示することで、ガクチカや志望動機といった内容もまとまりのある文章に仕上げることができます。この記事でプロンプトの書き方を学んで、効率的にESを執筆しましょう。
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